双極Planetary

詩とか小説とか。

Luger part8

でも彼女は言った。 「…愛? くだらないことを言うのね」「低俗な言葉よ…」 メイリィはそう言いながらも…私が、お母様と二人きりでこの血生臭い地下施設に残る事を否定はしなかった。そしてメイリィは、私にあるものを見せてくれた。それは、あの赤い微生物……

Luger part7

それは早朝から始まった。逃げ惑う人々…それを追い、捕え、殺す部隊。無機質な地下の牢獄施設は混乱に支配される。地中深いグレーの通路に真っ赤な死体が転がっていく。もちろん、私も殺される… でも、それでいい…お母様の中で死ねるなら 私は暗い牢獄の中で…

Luger part6

地下施設への移動をする日。シャンティは私の手を取って、一緒に逃げ出さないか、と言った。ここから逃亡しよう、と。地下へ行けばルガーがいる。君を束縛する人殺しの母に再会する必要はない…と。シャンティは真剣な眼差しをしていた。なんだかその瞳はきら…

Luger part5

見られてしまった…私の身体の中は、恐怖と罪悪感で一瞬にして満たされていった。お母様は、ナイフを握っていて…乱れのない足取りでシャンティに歩み寄った。 それに気づいた教会の修道士がお母様を制止しようと走ってきて…でも、ナイフを振り上げたお母様は…

Luger part4

エピカリは急速に広がり、死者は一気に急増しはじめる。それから白衣を着こんだ人間たちが頻繁に教会を出入りするようになった。それはメイリィという黒髪の女性がリーダーを務める医師団だった。彼女は連れてきた医師たちに的確に指示をだして感染者たちを…

Luger part3

それからもルガーお母様は変わらず私に会いに来てくれた。私の近況を事細かに確認するお母様の様子はまるで、私を監視しているみたいだった。お母様はいつでも血の臭いを漂わせていて…その臭いはだんだん、私の身体にも染みついているような気がしていた。そ…

Luger part2

重い罪人を監禁するだけの場所ではない。罪を抱える者が陽の光を嫌い、進んで地下へ潜る事もあった。そして許しを請うように来る日も来る日も祈りを捧げる。血生臭い地下にあっても、それは罪人にとって聖堂と同じように崇高な場所だった。ところが戦争が進…

Luger part1

「泣きやめ、赤ん坊」 「赤ん坊…これからお前は」 「赤ん坊… 私の娘だ」 力強く脚を握られ、瓦礫の山から引っ張り出されたその瞬間を、私はよく覚えてる。 唐突に視界が光に覆われて とっても眩しくて… 眼が慣れた時、そこには赤い血を浴びた色白の女性の顔…